2017年11月20日 本紙掲載
11月 20

元気よく「じゃパン」を販売する児童たち

 二戸市立浄法寺小(平義昭校長)の6年生は、国産漆の約7割を生産する同市浄法寺町をPRしようと、漆の原木をイメージしたパン「じゃパン」を開発した。児童たちは17日、二戸広域観光物産センター「カシオペアメッセ・なにゃーと」で初めての販売会を行い、浄法寺の魅力を元気良く伝えた。

 同校では、総合的学習の時間を活用し、浄法寺の歴史や伝統、自然などについて調査。「浄法寺を伝えることができる名物を作ろう」と、「浄法寺PRうまいもんプロジェクト」を立ち上げた。

 8月、グループごとに考案したパンのプレゼンテーション大会を実施。短角牛、風車、葉タバコなどの中から、漆が選ばれ、同市の就労継続支援事業所「ほほえみ工房」の協力を得て、じゃパンが完成した。

 漆の原木を模したじゃパンは、漆が英語で「ジャパン」と呼ばれていることに由来。生地にはチョコレートを塗り込み、表面には原木をかいた跡に見立てた切り込みを入れた。中には、樹液をイメージしミルククリームがたっぷりと詰まっている。

 この日の販売会には、児童約20人が参加した。午後1時15分からのスタートを前に長蛇の列ができ、用意したじゃパン80個を数分で完売する盛況ぶり。浄法寺の見どころや名所を紹介したビラも併せて配った。

 石橋七海さん(11)は「完売するなんて予想以上の結果だった。多くの人に浄法寺をもっと知ってもらいたい」と笑顔を見せた。

 23日には盛岡市でも販売会を開催する。

2017年11月4日 本紙掲載
11月 04

故三浦哲郎さんを題材とした演劇に挑戦し、命の尊さを訴える二戸市立金田一中の生徒たち=10月27日、同市

 二戸市立金田一中(佐藤滋校長)は本年度、同市にゆかりのある芥川賞作家・故三浦哲郎さん=八戸市出身=を題材とした創作演劇に挑戦している。学生時代の若き三浦さんと、金田一温泉郷に伝わる座敷わらしとの出会いを描いたオリジナル作品で、全校生徒138人がキャストやスタッフとして参加。中高生の自殺が全国的に後を絶たない中、病気や「口減らし」で亡くなった子どもの妖怪―とされる座敷わらしを通し、熱のこもった壮大な舞台で命の尊さを訴えている。

 同校は、岩手県中学校総合文化祭での披露を目的に、昨年12月から演劇の準備を始めた。

 同校が立地する金田一地区は、三浦さんの父親の故郷で、かつては三浦さん自身も一時暮らした土地。金田一温泉郷は、座敷わらしが登場する作品「ユタとふしぎな仲間たち」の舞台とされる。さらに、同校が三浦さんの姉きみさんから琴の寄贈を受けたこともあり、ゆかりの深い人物と座敷わらしを作品のテーマに選んだ。

 劇団わらび座(秋田県仙北市)の指導を受け、同校の辻村順子教諭が脚本を執筆。吹奏楽の演奏や合唱を織り交ぜた舞台づくりに着手した。

 キャストを務める生徒たちは、「ユタと―」を読むなどしながら役づくりに奮闘。スタッフたちは、同校が長年育てている藍を用いて風景を描いたタペストリーなど、舞台装置の制作に励んだ。

 10月27日には、二戸市民文化会館で開かれた二戸地区中学校総合文化祭で上演。座敷わらしと心を通わせる三浦さんが、自身の将来と向き合いながら、作家の道を歩む決意を固める様子を軸に、物語が展開した。劇中、寄贈された琴の演奏や今年東北大会出場を果たした自慢の合唱も披露され、同校が誇る〝総合芸術〟に観客もくぎ付けとなった。最後は「座敷わらしは生きたくても生きられなかった。たくさんの人が読んでくれる物書きになりたい」との熱いメッセージで締めくくった。

 照井英照副校長は「地元を代表する題材を学ぶことで、生徒には故郷を愛する気持ちを育んでほしい」と期待を寄せる。

 三浦さん役を務めた3年の大澤海斗さん(15)は「座敷わらしを描いた三浦さんの思いが分かったような気がした。命ある限り精いっぱい生きて、自分の可能性を突き詰めていきたい」と力を込めた。

 同校は16日、盛岡市の県民会館で開かれる県中文祭でもこの劇を披露する。

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