2017年4月12日 本紙掲載
4月 12

「太閤記 九段目」でコミカルに農民役を演じる公募の役者ら

 佐井村福浦地区の漁師たちの間で120年以上にわたって受け継がれてきた伝統芸能「福浦歌舞伎」の春祭り特別上演が10日、同地区の「歌舞伎の館」で行われた。助っ人参加を含む役者たちが、方言交じりのせりふ回しなどに特徴があるステージで、詰め掛けた観衆の拍手や笑いを誘った。

 同地区の歌舞伎は明治時代中期に上方から訪れた地回りの役者から伝わり、数少ない娯楽として住民に親しまれてきた。一家で一役を担う世襲制で、口承で受け継がれてきたため、意味が分かりにくい部分はそのまま方言で伝わっているのが特徴。1984年には青森県無形文化財に指定された。

 もっとも、漁師の高齢化、人口減などで活動可能な役者が減り、存続の危機を迎えている。昨年からは、一部の役者について地域外に門戸を開こうと、上演に合わせて公募を行っており、今年は県内外から4人が応募した。

 特別上演では、化粧した役者たちが観光客ら約150人を前に「三番艘(さんばそう)」「太閤記 九段目」「一谷嫩軍記(いちのたにふたばぐんき)」の3演目で熱のこもった舞台を披露。歌舞伎鑑賞の趣味が高じて役者に応募し、農民役を演じた宮城県栗原市の高橋郁生さん(69)は「ワクワク、ドキドキで舞台に立ったが、演じる難しさを痛感した。可能だったら来年も出演したいね」と話していた。

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