2017年8月31日 本紙掲載
8月 31

横尾忠則さんの芸術世界について語り合う小池一子館長(右)と金澤韻さん

 十和田市現代美術館で開催中の画家横尾忠則さんの企画展「十和田ロマン展 POP IT ALL」の関連イベントとして、同展の共同企画者である小池一子館長と、同館インディペンデント・キュレーターの金澤韻(こだま)さんが横尾作品について語る「キュレーターズトーク」が26日、館内で開かれた。

 2人は今回の展示作品について解説した後、横尾さんの芸術世界について語り合った。

 金澤さんは、横尾さんが若い頃にグラフィックデザイナーとして手掛けたポスターなどの作品を紹介しながら、「戦後の洗練化されたモダニズムデザインからの脱却を図り、日本的な伝統や個性、情念を前面に押し出した」と説明。「日常的な、美か何か分からないものまで一つの芸術としてまとめ上げたのがすごい」と強調した。

 小池さんは1960年代に、同い年の横尾さんと雑誌のデザインの仕事で初めて出会った時のエピソードを披露。喫茶店で雑談中に「ちょっと待って。今、くるから」と突然言った後、次々にアイデアを出した姿が印象に残った―とし、「デザイナーでありながら、ひらめきの表現で、非常にクリエーティブな作品を多く残した」と説明した。

 81年に横尾さんが画家への転身を宣言したことについて、小池さんは「それまでもいわばアーティストとして描き続けていたので、宣言する必要があるのかなと思った」と当時の受け止め方を振り返り、「デザインでは力強い表現で、感覚世界に革命を起こした存在だ」と評価した。

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