2017年10月13日 本紙掲載
10月 13

三浦文学の世界を堪能できる会場。初日から多くの市民が訪れた=12日、八戸市のデーリー東北ホール

 八戸市出身の芥川賞作家故三浦哲郎さんの関係資料880点をそろえた特別展「三浦哲郎の作品とその素顔」が12日、同市のデーリー東北ホールで始まった。直筆原稿や初版のサイン本、愛用の文机、友人に宛てたはがきなどを展示。初日から多くのファンらが来場し、南部の風土を愛し続けた作家の作品世界と生涯に触れている。17日まで。

 市、市教委、デーリー東北新聞社、三浦哲郎文学顕彰協議会の主催。市制施行88周年記念としても開催した。三浦さんと親交の深かった同市の故立花義康さんの遺族が市立図書館へ寄贈した資料に、デーリー東北所蔵の直筆原稿、実際に執筆に使っていた文机などを展示している。

 オープニングでは市教委の伊藤博章教育長、本社の荒瀬潔社長、立花さんの妻京子さん(83)らがテープカットして開幕を祝った。

 直筆原稿は本紙に掲載された「鬼の骨」「狐のあしあと」など5点。師である井伏鱒二氏との本紙対談記事も注目を集めている。

 立花さんに宛てたはがきや手紙も多く展示され、「ぼくの焦燥は今頂点です」など作家となる前の苦しみや、芥川賞を受賞することになる「忍ぶ川」を書き上げた時の「新潮にアッといふような小説が出ます」との本音から、「うちの子は日増しに美人になるのがたのしみです」と、プライベートの素顔まで垣間見える貴重な資料となっている。

 京子さんは「主人は晩年、資料を市に寄贈して公開してほしいとの思いを語っていた。こうして皆さんに触れてもらえてうれしい」と話していた。

 入場無料。時間は午前10時~午後6時。15日午後2時からは、解説と朗読で作品に親しむギャラリートーク「三浦文学と南部の風土」を行う。問い合わせは、デーリー東北企画事業部=電話0178(44)5111=へ。

Comments are closed.

本ウェブページ掲載の記事、写真、図表などの無断転載を禁止します。また、著作権はデーリー東北新聞社またはその情報提供者に所属します